IPH工法の【4つ】の大きな特長とメリット


①注入拡散ポイントを躯体内部に置く穿孔

 表面ひび割れからの注入では、注入樹脂の浸入深さや広がりが安定しない問題がありますが、IPHミストダイヤ(注入孔に粉塵が残らない水循環型穿孔機)により、注入ポイントに直径7mm深さ50~110mm(標準)の穿孔を行うことで、注入拡散ポイントを躯体内部に置くことができ、コンクリート内部を深くそして広く充填接合できます。


 注入拡散ポイントが躯体内部にあることで充填が可能となったセパ補修跡・・内部から樹脂が滲みだしているのがわかります。

 

 

 

 

 

 

従来工法のように、【ひび割れ表面から押し込む】のではなく、【内部から放射状に拡散させる】というイメージです。



例えばこんな現場はありませんか?

【ひび割れ表面によく見られる遊離石灰】

 

従来工法における躯体表面からの注入工法では、樹脂を内部に充填することはできません

左写真のように、『穿孔』※という作業を加えることで、内部の空隙を確実に捉えることができ、高密度充填が可能となります

V,Uカットによる充填工法では、躯体の健全化が図れません。

 

※ハンマードリルによる単純な穿孔ではありません。水循環型の【IPHミストダイヤ】を使用し、孔内を洗浄しながら穿孔することで、内部の微細なひび割れにも注入が可能となります。

②反力エアー抜取機能

 ひび割れや内部空洞のエアーは、注入を開始する時点で加圧圧力と同等の反力エアーとなり、注入材の浸透を押し戻そうと抵抗します。

 注入開始時に反力エアーを抜き取ることができる機能をIPHカプセルは備えており、安定的に鉄筋周囲やコンクリートの奥深くまで充填が可能となっております。


③圧力の低圧安定性

 一般的に低圧樹脂注入工法による加圧力は0.4N/mm²以下と定められています。IPH工法で使用するカプセルの加圧力は、スプリング(ステンレス)で作られているため、初速圧力を0.06N/mm²±0.01~0.02N/mm²という超低圧に抑えることが可能です。

 これにより毛細管現象も生かされ、まるで植物の葉脈すべてに水分や養分が行き渡るようなイメージの高密度かつ高精度な充填が可能となります。


④注入樹脂の高流動化

 一般工法では注入用の樹脂の粘度がJIS規格で1000mPa・s以下と定められています。本工法では高流動性エポキシ樹脂(E-396H 550 ± 200mPa・s(23℃))を使用することで、微細なひび割れや鉄筋周囲まで高密度な充填を実現します。